書名:認知症の人の心の中はどうなっているのか?
著者:佐藤眞一
出版社:光文社新書
著者は認知症の人の“会話”に着目し、認知機能の評価を開発されました。
本著では「認知症の人が見ている世界を知り、認知症の人の苦しみを知ること。そして、ともによりよく生きるためにどうすれば良いか。」ということが書かれています。
認知症であっても苦しいだけではなく、楽しむことや喜ぶことができます。
まずは、認知症の人の苦しみを知って、理解すること。
医療や福祉の仕事に関わっていない方にもわかりやすく書かれています。また、医療や福祉の仕事をしていても本著を読むことで新しい発見があります。
おわりに、著書と著者の母のコミュニケーションについて書かれていました。
“しゃべることもほとんどできない母と私のコミュニケーションは手をさする私に対する母の笑顔、というやりとりだけです。しかし、これだけのコミュニケーションの中に、60年間以上にわたる母と私の思いが込められているのです。”
言葉には現されないことに思いを馳せることの大切さを感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。