前回の亜鉛に引き続いて鉄に関してもお伝えしていきたいと思います◎
鉄とは亜鉛と同じように代表的な必須微量元素であり人間の体内には男性で約3g、女性で約2gの鉄分があります。
そのうち3分の2がヘモグロビンという血液に含まれている成分の原料に使われ、10%は筋肉へ、残りは肝臓、脾臓、骨髄、腸に蓄えられています👍
欠乏すると、上記にあるようにヘモグロビンの原料に使われるため貧血を起こします。
そして、ヘモグロビンは赤血球という酸素を運搬する重要な役割を持つ血液の細胞の構成成分であるため、貧血になると赤血球が全身に十分な量の酸素を運搬できなくなってしまいます((+_+))
鉄欠乏状態が進行すると、全身の倦怠感やめまい、耳鳴り、動悸、息切れなどの症状をはじめ、眼瞼結膜(がんけんけつまく=まぶたの裏側の粘膜)や顔面の蒼白などの他覚症状といった症状が現れます。また、さじ状爪(爪が薄く平坦になる)や舌炎、口角炎、嚥下障害、異食症(氷を食べたがるなど)のような症状が見られます。さらに精神発達にもとても重要な栄養素なので注意力の低下、食欲不振、抑うつ感といった症状も見られます。
鉄の推奨量は成人男性で7~7.5mg、成人女性(月経あり)で8.5~9.0mg、成人女性(月経なし)で6.0~6.5mgと男女で変わります 。その理由は女性は月経による出血で貧血になりやすいだけでなく、もともと男性より体に貯えられる鉄が少ないからなのです。
【鉄を多く含む食材】
食品名 | 可食部100gあたりの鉄量(㎎) |
鮎 | 24.0 |
豚レバー | 13.0 |
しじみ | 8.3 |
ほうれん草 | 2.0 |
なお、鉄分の含有量が高いとされていたひじきは、
文部科学省が日本食品標準成分表2015年版(七訂)掲載「ひじき」の可食部100g当り鉄分含有量に関し、
「鉄釜だと58.2mgの鉄分を含むが、ステンレス釜だと6.2mg」と発表しました。
干しひじきは、原料の海藻を鉄製の釜で煮て渋みを取り、乾燥して作られます。以前はひじきを煮るとき、鉄製の釜が使われていました。その鉄釜から溶け出した鉄分がひじきに付着し、‶食材に含まれる鉄分″として測定されていたというわけです。しかし、近年使われる釜が鉄製から手入れが簡単で衛生的なステンレス製に代わったことによりひじきに含まれる鉄分が減ったということなのです。
また、動物性たんぱく質やビタミンCといった鉄の吸収を促進してくれる成分もあるので、肉や野菜、果物と一緒に摂取してみてはいかがでしょうか^^?